『転がる石の上機嫌』

転がって、転がって、小さな善きものがあなたに届けられますように。

「離陸」

主要登場人物たちが次々にあっけなく亡くなってゆく展開は、その都度「え…」と驚いたり閉口したり。

 


そして現実を描いているストーリーのはずなのに突然タイムスリップという非現実なワードが出て来て謎は謎のまま終わってゆきます。

主人公・弘(ひろむ)が探し続けてきた女優・乃緒(のお)は一体何者だったのか。

 


舞台が群馬、パリ、熊本、長崎…と転々と変わるところは、その地を旅行しているようで面白かったです。

群馬在住の身としては知っている地名が出てくるのも嬉しかったり。

そして登場人物たちの名前や呼称もユニークで、そこも作者絲山さんの小さなこだわりが感じられます。

 


物語の中で東日本大震災のことも描かれているのですが、やや遠くなってきたあの日のことをそうそう、と思い出しながら読みました。

3月11日、明日ですね。

もう9年。早いものです。

 

物語のラストでの弘のセリフ

「みんな最後には飛行機みたいにこの世から離陸していくんだ」

が胸に沁みます。

 


それにしても書くことをあまりしなくなってしまったせいか、随分言葉が出にくい頭になってしまいました。長い文章も上手くまとまらず。良くないですね。

それでも少しずつ出来ることを、ゆっくりマイペースに続けられたらと思っています。

今日もここまでお読みいただき、ありがとうございました。

また次回の投稿でお会いできたら嬉しいです。

 

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