『転がる石の上機嫌』

転がって、転がって、小さな善きものがあなたに届けられますように。

終わりと始まり

"自分にできるやり方で、何か良いものを届けたい。伝えたい"

 

そんな思いをきっかけにブログをスタートさせたのは2015年9月でした。

約8年。何かと飽きっぽく、すぐに投げ出すタイプの割にはまぁ続いたかな、というのが実感です。

 

果たして良い石を転がすことは出来たのか。

それはさておき、まずは少しだけ自分のことを褒めようと思います。

 

とはいえ、ひと月に3回ペースで投稿する月もあれば諸事情で1年まったく更新しなかったりと、昨今の気象現象くらい差が激しい気ままブログでしたが、読んでくださる方がいてくれたおかげで励みになったし書き続けることが出来ました。

あらためて、ありがとうございます。

 

そんなブログも今回の記事でキリ良く100回目の投稿となりました。

8年で100回。

多いのか少ないのか。

よく分からないけど、そこそこに感慨深いです。

 

そして、このキリの良いタイミングで来年1月よりブログの場所を「はてな」から「note」にお引越しすることにしました。

 

理由はいくつかあるのですが、1番大きいのは

"そうしたいと思ったから"  です(笑)。

有料マガジンに設定していますが、今までと変わらずしばらくはほぼ全文読めるようにする予定なので気が向いたら覗いてくださると嬉しいです。

 

まだ準備段階ですが新しいURLはコチラ↓

ブログ「転がる石の上機嫌」|ミッチェル|note

 

月1ペースで月末ごろの更新予定です。

1度だけ¥100で今後のすべての記事が読めます。

無料でもほぼ全文読めますが、投げ銭のつもりでご購入いただけると大変励みになりますのでどうぞよろしくお願いします!

ちなみに有料スペースでは、ちょっとしたオマケの文章か写真を付ける予定です。

 

・・・・・

 

2023年も、色々なことがありましたね。あなたにとってはどんな1年だったでしょうか。

明るいニュース、暗いニュース。

生きていると日々たくさんのことに遭遇して感情が波立つこともあるけれど、必要以上に自分を見失ったり悲しみすぎたりせず、穏やかに前を向いて歩いてゆける人でいたいなと思います。

 

2024年が、あなたにとって明るい兆しに満ちた幸せな1年でありますように。

上機嫌な良い石を、今まで以上に転がせるようにこれからも努めますね。

新しい場所でも引き続きお付き合いいただけることを願っています。

 

さて大晦日

私は夜から始まるSnowManの年越し配信ライブを楽しむ予定です。

どうぞ良い年をお迎えください。

 

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「間宮兄弟」

夏から始まって冬に終わる小説を、8月から読み始めて11月も半ばを過ぎた先日にようやく読み終えました。

 

だいぶ昔に買って今までにも数回読み返している本なのですが、久々に読みたくなってちょこちょこ休憩を入れつつ楽しみながらページを繰りました。

 

明信と徹信。

大人になっても仲が良いふたりの兄弟のほのぼのとした日常と淡い恋を中心に、彼らを取り巻く人々との人間模様が描かれています。

大きな展開も胸を刺すような強い言葉も特には無いけれど、そこが良いです。

 

読み終えて、しばらく忘れて、そして時々思い出したようにこの本に手を伸ばしたくなるのは、温かで親密な想いも、苦くてひりつくような感情も、同じように優しく包まれているからかもしれません。感情移入しすぎない言葉と表現で、静かに淡々と。

 

夏の陽射し。

秋の夜風。

冬の情景。

文字だけの世界なのに読むだけでその感覚や光景が一瞬にして肌や目に伝わって、広がって、引き込んでしまう江國さんの季節の描写力も、とても好きです。

 

そして、多くの楽しい時間を共有しながらもお互いの領域には決して深く立ち入りすぎない"きょうだい"というものに、ひとりっ子の私としてはとても心惹かれるのでした。

 

近しい誰かの日常にふと触れたくなった時。

太平楽な心持ちの時。

そんな気分の時に手に取りたくなる本です。

古く懐かしい友人に、時々無性に逢いたくなるように。

 

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「湯を沸かすほどの熱い愛」

10月に入った途端、急に寒くなりましたね。

いかがお過ごしでしょうか。

熱いお湯が恋しい季節になってきました。

 

家のお風呂や最新のスパも良いけれど、たまには昔ながらの銭湯にも行ってみたくなります。

と言っても、銭湯にはしばらく足を運んでないのですが。

 

お湯が恋しい季節になったらもう一度じっくり味わおうと思っていた映画を今、数ヶ月ぶりに観ています。

奇しくもこれを書き始めたのはちょうどこの映画の7年前の公開日(10月29日)と同じ日で、少し驚くと共にちょっとした縁を感じたりもしています。

 

映画を簡単に説明すると、お風呂屋さんを営む家族とその周囲の人々の物語です。

愛と、再生と、人生と、そして死と。

胸にぶわぁーっと何とも言えない感情が込み上げるシーンが沢山あって、目が熱くなります。

 

主要キャスト全員素敵なのだけど、何といっても "おかあちゃん" 役の宮沢りえさんが圧巻で、そして娘の安澄(あずみ)を演じる杉咲花ちゃんの瑞々しい演技も印象に残ります。

この母娘を主軸に家族が描かれているのですが、普遍的ではありながら改めて家族というものについてぼんやり考えさせられたのでした。

 

かあちゃんが、とにかく強くて熱くて激しいです。

そして時に厳しいけれど、いつも大きな愛に溢れていて、やさしい。

ちょいちょい規格外の行動を取るので一瞬えっ…と驚かされるのだけど、そこにはちゃんと彼女なりの理由があって。

きっと双葉という女性は、喜びも怒りも悲しみも愛情も含め、感情の熱量がすごく高くて感性の豊かな人なのだろうと感じました。

 

愛は伝染する。

大きければ、大きいほど。

そしてすっぽりと、側にいる人たちを包む。

やさしく、強く。

そして、しっかりと。

 

ラストの煙突のシーンがとても美しいです。

心ごとさっぱり丸洗いして、じんわり温まりたい時にぜひ観てもらいたい映画です。

 

 

【映画データ】

2016年 日本

監督: 中野量太

出演:宮沢りえ杉咲花オダギリジョー松坂桃李ほか

 

 

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大きなうねり

大きな流れやうねりが一度できてしまうと、その原因を作った当事者や関係者の思いに関わらずとんでもない方向に転がって、もう誰にも止められなくなってしまうものなのだなぁというのが最近よく思うことです。

行くべきところに行き着いて、落ち着くのを待つしかできないのかもしれない、と。

 


弱い立場の人たちが我慢や苦しみを強いられて泣き寝入りせずに済むようになってきたのは良いことだと思う一方で、報道や情報が過熱しすぎてやしないかと何だか見ているだけで疲弊してやり切れないものを感じたりもします。

 


すべてを明るみにして、さらけ出して、糾弾して、それが思わぬところで別の誰かのしわ寄せになり、また違う不幸が生まれて。

そんなの誰も幸せにならないのでは?…とか。

 


みんな自分が大事だし、立場があるし、守りたいものがある。

生きていかなくてはならない。

それは分かるし、当たり前のことなのだけど。

 


今までずっと見過ごしてきたのに手のひらを返すようにバッシングするメディアにも、人権侵害というもっともらしい理由を付けて起用タレントのCMスポンサーを離れていく企業にも、1ファンとしてはやり場のない怒りしかないです。

 


過ちを認めて謝罪してそれなりの対策もしているのにまだ騒いでいる被害者の会の人たちにも、悪いけど良い感情はあまり持てなくて。

もっと言えば、多かれ少なかれ芸能界ってそういうものでは?と思っていた自分も正直なところ確かにいて。

 


結局これは一体誰が悪いのか?と、キリがないと分かりつつずっとグルグル考えていました(汗)。

そして、こんなふうにまるで自分ごとのように感情を波立たせてしまう"推し"の力って凄いなぁとあらためて感心もするのでした。

 


ジャニー喜多川氏については「テレビでよく物真似される"個性の強い独特の人"」というイメージしかなかったのですが、私はSnowManを通して彼らがジャニーズの一員であることをとても誇りに思っていることを知っているし、無観客のデビューライブで涙をこらえながらジャニー氏との思い出や感謝を語っていた姿もDVDで見たし、和装でのMV撮影時に「着物が似合うね」と以前褒められたエピソードを嬉しそうに懐かしく語っていた1人のメンバーの笑顔を思い出すたびに、心中とても複雑になるのでした。

 


でも、どんな形に落ち着くとしても。

本当に価値のあるものは残っていくし、魅力あるものは人の心を惹きつけて離さないはず。

そして不思議なことに大きな熱量があるものには、傍らでそれを見ているものさえも自然に巻き込むパワーがあると信じています。

それがまた新たな何かを生み出したり、変化させるきっかけを作っていく。

そんな良い循環が少しずつでも起こればいいと思います。

 


SnowManをきっかけにジャニーズというものを以前より少しだけ知って楽しませてもらっている身としては、早く問題が解決して逆風が収まって、またみんなが心からの笑顔で素敵なパフォーマンスを見せてくれたらいいなぁと願うばかりです。

 


それにしても。

何だか生きづらい世界になってきてしまったなぁと感じるのは私だけでしょうか。

知らない方が良いことも、世の中にはたくさんあるよね…と思ってしまったりなんかするこの頃です。

 

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小江戸川越散策記

天赦日と一粒万倍日と大安。

縁起の良いこれら3つの日が奇跡的に重なった8月上旬の大吉日。

"土地に惹かれて旅に出る"というのを2015年の名古屋以来、8年ぶりにしてきました。

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行き先は埼玉県川越市

小江戸川越」と称されるレトロモダンな町並みや古式ゆかしい神社やお寺など、以前から行ってみたかった場所を地図片手にぷらぷらと巡りました。

旅行誌やネットで事前にリサーチしていた芋系スイーツや進化系かき氷も実はひそかなお目当て。

 


ともかく暑い1日で、日傘を差して歩いていても汗がじんわり滲むほど。

でも駅からの交通の便はわりと良くて、主要な観光名所に停まるバスは本数も多く、旅行者には大変ありがたかったです。

人気スポットが集中して存在しているので、体力のある方は頑張れば徒歩での観光も可能かもしれません。

 


初めての川越は活気があって賑やかで、でもどこかのんびりしていて居心地が良いという印象。

浴衣を着た若い人たちが蔵造りの町並みをのんびり歩いている姿は風情があったし、夏の風鈴で有名な氷川神社の涼やかな音色にも癒されました。

懐かしい飴や駄菓子が並ぶ「菓子屋横丁」も見ているだけで楽しかったです。

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そしてなぜか中国系の観光客の方々がたくさんいて、あの早口で独特な強い語調と日本語が飛び交っている空間というのは、その場にいて何となく不思議な感覚になりました。

 


他にも、撫でると健康になれる「おびんづる様」のいる蓮馨寺や(頭を撫でたら予想外に埃ぽくて動揺)、参拝すると八咫烏さまがお告げをくれる熊野神社や(2回挑戦するも結局無言のままだった)、地図ではほとんど分からないけど境内いっぱいに優しい気の満ちた小さいお寺など、素敵面白スポットがたくさんだった川越。とても魅力的でした。

次回は行けなかった川越城喜多院にもぜひ足を運んでみたい。

好きな街が、また1つ増えました。

 


目で見て、肌で感じて。

テレビや写真や誰かの話だけでなく自分の五感で体験するのもたまには大事なことですね。短い時間だったけど、有意義な小旅行が出来ました。

 


暑さでヘロヘロになった身体に念願だった進化系かき氷はとても沁みたし、お土産には心に決めてた芋系スイーツなどもしっかり購入。

大満足で家路に着いたのでありました。

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あなたはこの夏、どこかにお出かけしましたか?

どうか楽しい思い出が1つでも多く心のアルバムの中に残っていますように。

 


早いもので明日から9月。

私は今、夏休み最後に残った宿題と格闘する小学生のような気持ちでこのブログと向き合っています。

 

過ぎゆく8月を惜しみつつ、今回はここまで。

それではまた、この場所で。

今夜、こちらはとても良い満月が出ています。

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「ベニスに死す」

少し前に『ベニスに死す』という古い映画をテレビで観ました。

1971年公開の、イタリアとフランスによる合作映画です。

 

1人の初老の音楽家が、静養のためベニスに訪れるところから物語は始まります。

 

そこで音楽家のグスタフは美しすぎる貴族の少年タッジオに出会い、強く惹かれてゆく…というのが主な内容なのですが、セリフも説明描写もほとんど無く、静かで不思議な映画でした。

 

ほぼ全編、寡黙な初老男性が美少年に湿度の高い熱視線を注ぎ続けるだけの場面で構成されているのですが、2人の間には「同じホテルの宿泊客」という以外の接点は無く、接触も無く、これといった展開もありません。

 

取りようによっては動きの少ない退屈な映画なのですが、表情だけの演技や断片的に現れる過去の回想シーンによって、グスタフの人物像や揺れ動く心理にあれこれ想像力を働かせて「面白い」や「好き」だけでは語れない、独特の鑑賞方法を楽しむことが出来ました。

 

とにかく少年タッジオを演じたビョルン・アンドレセン君がひたすらに美しいです。

笑ったり、食事をしたり、クラシカルな水着で浜辺を歩いたり…etc.

なんて事ないシーンなのに、綺麗すぎてため息が出ます。

 

じっとり絡みつくようなおじさんの熱い視線に物ともせず、真っ直ぐに受け止めて艶かしい眼差しで見つめ返す瞳が印象的でした。

公開当時、日本でもアイドル並みの人気だったとか。

そりゃおじさんも惚れちゃうよ!と思う一方で、この映画が1970年頃の映画だということにひどく斬新さも感じたのでした。

 

暑い夏の休日。

ちょっと気怠い午後。

お酒でも飲みながら、だらだら観るのに似合う映画かもしれません。

 

アンニュイで、哀しくて、美しくて。

そして、どこか滑稽で。

興味を持った方がいましたら、機会のある時にぜひご覧になってみてください。

 

 

【映画データ】

 1971年 イタリア・フランス合作

 監督:ルキノ・ヴィスコンティ

 出演:ダーク・ボガード(グスタフ)

   ビョルン・アンドレセン(タッジオ) 他

 

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最近のヨガ近況⑦

ヨガについての考え方や向き合い方、そして日々の練習内容を自分なりに綴ってきた「ヨガ近況」シリーズ(?)も、今回で7回目となりました。

 

気の向くまま不定期に始めたシリーズですが、スタートは2018年12月なので、いつの間にやら約4年半が経過したことになります。

時が過ぎるのは本当に早い。

 

4年半で7回って少ないな…と思わなくもないですが(笑)、それでも遡って読み直すと、長く抱えていた病気が悪化して長期で入退院を繰り返していたり、転んで捻挫して歩くのも大変になったり、ヨガの練習中に頸を痛めたり、そういえば色んなことがあったわ懐かしい…と妙にしみじみしてしまいました。

記録というのもなかなか役に立つものですね。

 

そして練習内容についても変化が。

前回までの投稿時点では瞑想の後に呼吸法を取り入れたり、出来ないアサナに挑戦してバリエーションを増やすことに力を入れていたのですが、最近の練習では身体の不調につながるような弱点を強化することに目標を絞り、それを継続的に行うよう意識するようになりました。

 

大まかに紹介すると、最近の日々の練習内容は以下の通り。

 

瞑想5分…浄化と集中

首肩腰足のストレッチ

キャット&カウ…背中と腰回りの筋肉をほぐす

ウッターナーサナ(立位の前屈ポーズ)…柔軟性の強化

ヴリクシャーサナ(木のポーズ)…体幹強化

パスチモッターナーサナ(座位の前屈ポーズ)…柔軟性の強化

セツバンダーサナ(橋のポーズ)…骨盤底筋の強化

シャヴァーサナ5分(屍のポーズ)…リラックス

 

元気とやる気がある時はさらに2つか3つ、その日の気分体調に合わせたアサナを加えますが、所要時間は大体20〜30分ぐらい。

以前のようにまた早起きが出来るようになったので、練習時間も夜から朝に切り替えました。

 

朝の家事やルーティンに時間的支障があるので今は呼吸法を練習から省いてますが「ウジャイー」や「カパラバティ」や「シーターリー」など、ヨガにはリラックスや浄化や体内の熱を冷ますなど様々な効果を持つ興味深い呼吸法がいくつもあるので、日々の生活の中で必要な時には忘れずに取り入れてゆきたいです。

 

そんな私の最近のYoga Life。

細く、ゆるく、時に途切れてはまた繋がって、のんびりと続いています。

 

どうしてもっとストイックにひたむきに向き合えないのかと反省したことも過去にはあったけれど、今は「それもまた私らしくて良いではないの」と思えるようになりました。

 

ヨガと出会って、もうすぐかれこれ約20年(怖)。

長年の親しい友や家族と付き合うように、大事にしたい物事とも、距離や熱量に変化や緩急を付けながら、無理せず付き合うことも大切なことなのかもしれません。

 

ところで沖縄や奄美ではすでに梅雨が明けたとか。

今年はどんな暑さになるだろう…と恐れつつ、夏にしか出来ないことや美味しいものを今年も存分に堪能出来ればいいなと思っています。

 

蒸し暑い日々ですが、お身体どうぞご自愛してお過ごしくださいね。

それでは、また。

 

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