10月に入った途端、急に寒くなりましたね。
いかがお過ごしでしょうか。
熱いお湯が恋しい季節になってきました。
家のお風呂や最新のスパも良いけれど、たまには昔ながらの銭湯にも行ってみたくなります。
と言っても、銭湯にはしばらく足を運んでないのですが。
お湯が恋しい季節になったらもう一度じっくり味わおうと思っていた映画を今、数ヶ月ぶりに観ています。
奇しくもこれを書き始めたのはちょうどこの映画の7年前の公開日(10月29日)と同じ日で、少し驚くと共にちょっとした縁を感じたりもしています。
映画を簡単に説明すると、お風呂屋さんを営む家族とその周囲の人々の物語です。
愛と、再生と、人生と、そして死と。
胸にぶわぁーっと何とも言えない感情が込み上げるシーンが沢山あって、目が熱くなります。
主要キャスト全員素敵なのだけど、何といっても "おかあちゃん" 役の宮沢りえさんが圧巻で、そして娘の安澄(あずみ)を演じる杉咲花ちゃんの瑞々しい演技も印象に残ります。
この母娘を主軸に家族が描かれているのですが、普遍的ではありながら改めて家族というものについてぼんやり考えさせられたのでした。
おかあちゃんが、とにかく強くて熱くて激しいです。
そして時に厳しいけれど、いつも大きな愛に溢れていて、やさしい。
ちょいちょい規格外の行動を取るので一瞬えっ…と驚かされるのだけど、そこにはちゃんと彼女なりの理由があって。
きっと双葉という女性は、喜びも怒りも悲しみも愛情も含め、感情の熱量がすごく高くて感性の豊かな人なのだろうと感じました。
愛は伝染する。
大きければ、大きいほど。
そしてすっぽりと、側にいる人たちを包む。
やさしく、強く。
そして、しっかりと。
ラストの煙突のシーンがとても美しいです。
心ごとさっぱり丸洗いして、じんわり温まりたい時にぜひ観てもらいたい映画です。
【映画データ】
2016年 日本
監督: 中野量太