『転がる石の上機嫌』

転がって、転がって、小さな善きものがあなたに届けられますように。

「王様と私」

王様と私』という古い映画を先日DVDで観ました。

ユル・ブリンナー演じるシャム国(タイ)の王様と、彼の子どもたちを教育するため英国から呼ばれた教師アンナ(デボラ・カー)の心の交流を描いたミュージカル作品。

 

ユル・ブリンナーの顔だけは以前から知っていたものの、彼が動いて、演じて、歌って、踊る姿を見たのは初めてだったので、なんだか新鮮な感動でした。

 

個人的にとくに印象的だったのは、王様が国の繁栄や民の信望を得るために一体自分はこれからどうするべきなのかと歌に乗せて思い悩むシーン。

普段、家臣や一族の前では強気で傲慢すぎるように見える王様の、人間らしい一面が垣間見れて好感が持てました。

あと、王様がアンナに自分の子どもたちを引き合わせるシーンがあるのですが、次から次へと切れ目なく子どもたちが登場してきて、それが笑えました。スクリーンに全員は出てこなかったけれど、王様によると確か総勢60数名とか。凄い、凄すぎるよ、王様…。

そして、王様とアンナが手に手を取って軽やかに踊るあの有名なシーンも、おぉこれがあの有名なダンスシーンか、と楽しい気持ちで眺めることができました。

弾むように、跳ねるように、楽しげに踊る2人の姿が印象に残ります。

 

ただ楽しいだけの映画ではなく、根底には女性蔑視、奴隷問題など当時の社会問題が描かれていて考えさせられる部分もあります。

そして期待どおりハッピーエンドで終わるのかなと思いきや、思わぬ展開で幕が閉じるので個人的には満点星5つのところ星3つ評価ですが、世界的クラシカル映画の名作を自分の目で見て感じることが出来たのは良かったかな、という感じです。そういえば衣装もとても凝っていて素敵でした。

日頃の憂さを忘れて「Shall we dance?」とはなかなかいかない昨今ですが、心はなるべく自由でいたい。そんなふうに思う今です。

 

朝晩に、涼しい風が混じるようになりました。秋が、少しずつ近づいて来ているようです。どうかご自愛してお過ごしくださいね。それでは、また。

 

 

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【映画データ】

   1956年アメリ

 監督:ウォルター・ラング

 出演:ユル・ブリンナー、デボラ・カー

    リタ・モレノ