『転がる石の上機嫌』

転がって、転がって、小さな善きものがあなたに届けられますように。

虫とアヒンサー

ヨガにはポーズや呼吸や瞑想を含む「八支則」という8つのステップがあり、それらを段階的に学んでいくことで些細なことでは波立たない穏やかな心と身体を手に入れることが出来るとされていますが、その八支則の最初のステップであるヤマ(禁戒)の第一に掲げられているのがアヒンサー(非暴力)です。

 

ちなみに、殺したり暴力をふるうのはもちろん他者を悪く思う思考の暴力や苦痛を与えることもまたアヒンサーとされています。

 

さて、ところで。

夏になって虫の季節が到来しました。

蚊、蛾、クモ、ハエ、ゴキブリ、ムカデ、ナメクジ、etc. …。

様々な虫と家の中で遭遇する機会が増えて、悲鳴を上げながらそれら虫たちと格闘する機会も増えました。

虫が得意な人なんてそうそういないと思うけど私はとくに虫嫌い&虫苦手人間。

アヒンサーの教えが頭の片隅を一瞬よぎる時はあるものの、そんなことを言っていたら我が家は虫の巣窟になってしまうよ!

…というわけで心を鬼にして、というかほぼ頭で考えるより手が瞬時に動き、それらの虫を叩いたり潰したり殺虫剤を使って退治するわけなのですが、やっぱりなんとなく後味が悪いというか、ごめんね、という気持ちになってしまうのです。

先日、室内でゴキブリを見かけて撲殺ののち水葬(シャワーで排水溝に流した)した時もそうで、ほっとしたのと同時に、悪く思わないでおくれ…と心の中で声を掛けながらその末路を見届けたのでした。

 

そんな私がいつかさらりと虫たちを自然に放つアヒンサーの境地にたどり着くことはできるのだろうか。

いや多分ずっと無理…と思いながら、今は虫たちの亡骸を処理しながら心の中で合掌出来るようになっただけでも大きな進歩と思うようにしているのでした。

 

小さな命も私たちと等分であることを忘れないようにこれからは過ごしていきたいものですね。家で見つけた害虫は、やっぱり退治しちゃうけど。