『転がる石の上機嫌』

転がって、転がって、小さな善きものがあなたに届けられますように。

レヴェナント【映画】

人は、見(観)たり 聞(聴)いたりして 心に感じるものがあまりにも 大きすぎると言葉を失う ものなのだということを この映画を観ることで 久々に思い出しました。 圧倒的なまでに すさまじい「生」が、 そこにはありました。 生きることの壮絶と激しさ。 …

食べる、という行為について

「食べる」ということに対して、 このところ以前より強く 意識をするようになりました。 今よりもう少し若かったころ、 学生時代や社会人になりたての時などは、 とくに何も考えず 好きなものを好きな時に 好きなだけ食べていました。 気にしていたこととい…

祈り (詩)

不安で眠れぬ夜を 確かに過ごしたはずなのに 命が消えてしまうかもしれない恐怖を 確かに味わったはずなのに 数年という歳月で 記憶は残れど 感覚は薄れ幼きころに会った親戚が暮らし 会わなくなった友の故郷があり 縁(ゆかり)ない土地でもないはずのに なぜ…

選ぶ、ということについて

カード、というものが昔から好きです。トランプ、タロット、オラクルカード。 そこには1枚1枚 美しい絵が描かれていて、 それぞれに意味があります。そして、数ある中から1枚引くと、 必ずその時の自分の心にある何かに ぴたり、と符合するものが 出てく…

春熊 (創作)

あたたかな金曜日。ぼくは用意したティーポットを 持って、近所の湖まで 散歩に出かけた。湖畔には桜の木が 何本も植えられていて、 春になるとそれはもう、 うっとりしてしまうぐらい 美しいピンク色に染まるんだ。ティーポットには 温かい黒糖入りの ミル…

グラスと水

「いったい体と心は どちらが先なのだろう?」 というようなことを、 最近よく考えています。 たとえば 心身のバランスを崩して なんとなく不調な時。 たとえば 何かをしようと思っても あまり気力がなく ぼんやりとしてしまう時。 ちょっと体を動かすと 嘘…

奇跡を信じたい瞬間に【音楽】

人は、皮や骨や血を取り除き 細胞レベルにまで分解していくと、 最後には音(震動)だけが残るのだそうです。 だから人間は自然に、本能的に、音楽を欲するのだと、 そんな話をいつか聞いたことがあります。 それが真実かそうじゃないかはともかくとして、 …

寒い冬の満月の日に

寒い日が、続きますね。 こちらでも数日前に雪がたくさん積りました。 雪は、良いですね。 しん、とした静けさ。 真っ白な風景。 すべてが帳消しになって、 世界がまた最初から始まっていくような そんな錯覚すら覚えます。 大人になるほど「朝の通勤」とか …

『運命の恋人』【本】

年が明けて、2016年になりました。 日々はあっという間に過ぎてゆきますね。 大事に大事に過ごしていこう、とますます強く思う最近です。 久しぶりに本のことでも…と思い 棚に視線を巡らせたところ、 ちょうど良い作品と目が合いました。 『おめでとう』…

ヨガについて、あれこれ

ヨガが、好きです。 ゆるく、細々と続けて、なんだかんだで もう10年近くが経とうとしています。 ゆったりと呼吸をし、気持ち良く体を弛緩させ、 自分の身体と心だけを静かに見つめる。 体のことだけに偏らず、 かといって精神世界一辺倒でもなく。 単なる…

ポケットの中の宇宙(詩)

あなたの手が わたしの手を取りそっと コートのポケットに引き入れるそこは 温かく 安全でとても心地の良い場所だ舗道には 無数の葉っぱ通り過ぎてく バスの音ほころんでしまう 唇に必死で 平静をよそおわせさくさくさく、と わたしたち朝7時の道を歩む あ…

たゆたう (詩)

あたたかくも つめたくもないゆるやかに流れる 水のなかでそれはしずかに たゆたっているほのかに光さす うすくやわらかな青に包まれてそれはこぽこぽ、と ときおり泡をたてながらゆっくりと 流れてゆく

数をこなす

「質の良い映画に出会うためには、 数をこなさないとなんですよね」。 ある朝。 テレビ番組を見ていたら、 ふとこんな言葉が耳に入ってきました。 個性派と最近注目されている、 ある若手俳優さんの言葉です。 彼はとても映画好きで、 どんなに仕事が立て込…

fishmans【音楽】

人にはしばしば 「なんとなく気持ちや体に力が入らない」 ということが起こります。 それははっきり思い当る原因が あることもあれば、ないこともある。 短い期間で浮上できることもあれば、 長く潜伏期間に突入して 抜け出せないこともある。 それは嵐や台…

大事なものは、細部に宿る

“もし職場に郵便物が届いていたとして、 あなたがそれを開封する係だとしたら どんなふうに開けますか?” もう何年も前、無職で仕事を探していた時に 面接を受けた会社で、そんな質問を されたことがありました。丁寧に開けますか、それともあまり考えず び…

ベティ・ブルーと秋の空 【映画】

『ベティ・ブルー』という映画が好きです。1986年に公開された、フランス映画。 ベティという感受性の強い女の子と、 ゾルグという作家志望の男の人。 副題に確か「愛と激情の日々」とあって、 文字通り、二人の激しい愛を描いた物語です。相手のすべて…

旅というものについて

土地に強く惹かれて旅に出る、ということが 何年かに一度たまにあります。 とくに理由もなく、目的もなく、ふっと。伏線のようなものはいくつかあったものの、 今年の夏ごろから急にじわじわと 名古屋に行きたいと思い始め、 それで先日行ってきました。最初…

上質でいようとする心意気

マイナスとプラス。 同じ物事には両方の側面があって、 それを受け取る人の心のフィルターによって 現実や世界は大きく変わっていく-- そんなふうに意識するようになってから、 私の中に流れる時間は以前に比べて 幾分か風通しの良いものになってきたよう…

月と鳥(詩)

月に浮かぶ 鳥を見た。黒くて 美しい鳥だ。あの人も 見たろうか。青い闇と 白い月。あの鳥は 幾千もの時を越え瞬間にのみ おとずれる私たちの ただひとつの奇跡。 ・・・・・・・・・・・・・ 今夜は、中秋の名月ですね。 月には不思議とミステリアスで心惹…

A2Z 【本】

「私は、たぶん、飛び付く速度が少しばかり早いのだ。 そして、抱きしめる力が、強いのだ」 (山田詠美 『A2Z(エイ・トゥ・ズィ』)A2Z (講談社文庫)作者:山田詠美発売日: 2014/11/14メディア: Kindle版 これは、恋の物語です。 大人だけれど、 大人…

縁を度(ど)す。

「恩を受けたら受けたその人に返すのではなく、また別の違う誰かにその恩を渡してあげるようにしてください」。 そう教えてくれたのは、私にとって初めてのヨガの先生でした。 70歳をとうに過ぎていたけれど、凛とした、美しい佇まいを持つ素敵な女性です…