『転がる石の上機嫌』

転がって、転がって、小さな善きものがあなたに届けられますように。

あるヨギの自叙伝

「読書の秋」でありますが、最近は
パラマハンサ・ヨガナンダさんの書いた
『あるヨギの自叙伝』(森北出版・
1983年発行)という500ページ超の、
しかもぎっしり二段組みで構成された、
ぶ厚い本に格闘しているこの頃です。


この本のことは、何度かヨガの
ワークショップにも参加させてもらった
ことのある東エマさん(海外を拠点に
ヨガ活動をされている素敵な方です。
ブログに綴られる端整な文章も
魅力的)のブログで数年前に紹介
されたことをきっかけに知りました。


「どんなことが書かれているのだろう」と
興味を持って、以前図書館の相互貸借
システムを利用してチャレンジして
みたのだけど、想定外のボリュームと
内容のため、その時は十数ページで断念。
以来それきりになっていたのですが、最近
時間的にも精神的にも余裕が出来たせいか、
ふとまた読みたくなって、思いきって
購入(本体定価 ¥4200!)。
今はそれを少しずつ、ちびりちびりと
読み進めているところです。


ヨガナンダさんはインド生まれのヨガ行者。
師の奨めで1920年、27歳の時に
単身渡米をし、当時あまり西洋に
知られていなかったヨガをアメリカや
ヨーロッパを中心に広く普及させ、
1952年に59歳でその生涯を終えました。
浅黒い肌にカールした長い髪、そして
何より吸い込まれそうに美しく澄んだ瞳が
印象的。穏やかなたたずまいの中に、
どこか陽気で機知に富んだ雰囲気も感じられます。


読み進めて一番に感じているのは
とにかく不思議に満ちた本だなぁ、ということ。
空中浮遊、瞬間移動、予知能力、
輪廻転生、テレパシー、宇宙に
存在する幽界のことetc.…。
ヨガナンダさんがその生涯の中で
出会った聖者と呼ばれる人たちや
自身の経験として、超次元的な
エピソードがとにかくふんだんに出てきます。
死んだはずの人が急に元気に生き返ったり、
何も無いところから突然物質が現れたり
「嘘でしょう?!」と思うような現象が
当たり前のように記されていて、
自叙伝というよりはまるで神話か
SF小説を読んでいるような感覚。
経験したことは無いけれど、自分が
知らないどこかにはそういうことが
存在していて、古代から連綿と
受け継がれてきていたものなのかも
と思うと、それはそれで世界って
面白いものですね。


ヨギの自叙伝なので、もちろん
ヨガのことにも触れているのですが、
ヨガナンダさんが普及に努めた
「クリヤ・ヨガ」については、昔からの
ヨガの禁令を理由に詳細は
省かれていて、具体的なことは
なんとなくベールに包まれたまま
になっています。
それが余計に気になるところでは
あるのですが、読み進めていく中で
なんとなく感じられたのは「クリヤ・ヨガ」は
現代のアーサナを中心としたハタヨガとは
また少し違う、瞑想や呼吸法を中心にした
精神性を高めることに重点を置いた
ヨガなのかな、ということ。
ヨガの基本でもある八支則のことや、
身体のエネルギーポイントでもある
チャクラのこと、そのチャクラを流れて通る
生命体プラーナ(気のようなもの)の
ことについても少しだけ説明がされています。
ヨガを今までとはちょっと違う観点で見たい方や、
超能力的な不思議や神秘に興味ある方は、
読んでみたら面白いかもしれません。


それにしても、ヨガって一体何なのだろう?
「つながる」という意味を持つ言葉が語源であり、
その最終目的は「体・心・魂の統一」
「サマディ(悟り)」とされるヨガですが、
場所や人によってその形態や内容は様々で、
自分にとって本当のヨガとは、という
ようなことを今でも時折考えてしまいます。


まず最初に「落ち着く」と「心地良い」があって、
これを自分なりの形で誰かに伝えたいという
思いがあって、それは
「自分を静かに内観していく」とか
「呼吸とともに“今”を見つめる」という
ことだとして、果たしてその先には
一体何があるのだろう?
その答えは未知の霧に覆われていて、
正直自分の中ではまだよく見えない
ままになっています。
そういう意味でこの本は、不思議に満ちた
面白い本であると同時に、自分にとって
根源的な疑問を投げかけてくれる、
数少ない貴重な本になりそうです。


本は今、師匠であるスリ・ユクテスワさんが
死から復活してヨガナンダさんの
目の前に現れて、死後の世界について
とうとうと説明している章まで。
なんとかラストまで後80ページちょっと、
というところに来ました。
今度こそ途中放棄しないよう、
残り少なくなってきたページを惜しみつつ、
引き続き読書を楽しみたいと思います。
未知のことを学ぶ読書というのも
また興味深いものですね。


この秋、あなたはどんな本と出会いますか?
どうぞ楽しく素敵な読書時間が過ごせますように。
最後まで読んでいただきありがとうございます、と
たまには感謝の言葉を添えて。

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