『転がる石の上機嫌』

転がって、転がって、小さな善きものがあなたに届けられますように。

『離陸』読了。

主要登場人物たちが次々にあっけなく亡くなってゆく展開は、その都度「え…」と驚いたり閉口したり。

 


そして現実を描いているストーリーのはずなのに突然タイムスリップという非現実なワードが出て来て謎は謎のまま終わってゆきます。

主人公・弘(ひろむ)が探し続けてきた女優・乃緒(のお)は一体何者だったのか。

 


舞台が群馬、パリ、熊本、長崎…と転々と変わるところは、その地を旅行しているようで面白かったです。

群馬在住の身としては知っている地名が出てくるのも嬉しかったり。

そして登場人物たちの名前や呼称もユニークで、そこも作者絲山さんの小さなこだわりが感じられます。

 


物語の中で東日本大震災のことも描かれているのですが、やや遠くなってきたあの日のことをそうそう、と思い出しながら読みました。

3月11日、明日ですね。

もう9年。早いものです。

 

物語のラストでの弘のセリフ

「みんな最後には飛行機みたいにこの世から離陸していくんだ」

が胸に沁みます。

 


それにしても書くことをあまりしなくなってしまったせいか、随分言葉が出にくい頭になってしまいました。長い文章も上手くまとまらず。良くないですね。

それでも少しずつ出来ることを、ゆっくりマイペースに続けられたらと思っています。

今日もここまでお読みいただき、ありがとうございました。

また次回の投稿でお会いできたら嬉しいです。

 

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薬にも毒にもなれないならば

誰かにとっての薬にも毒にもなれない存在ならば、せめて小さな爪痕を1つでもいいから残したい。

そんなふうに思うことがたまにあります。

たまにだけど、強く。強烈に。

こういうのが俗に言う“承認欲求”とか“自己顕示欲”というものなのでしょうか。

 


でも、多かれ少なかれこういう気持ちは誰にだってあると思うのです。

幾つになっても、大人になっても。

 


そういう厄介な自分と折り合いをつけながら上手く付き合っていくことが本当の“大人”なのかもしれませんね。きっと。

 


つい先日に誕生日を迎え、また一つ歳を重ねたわけなのですが、そんな自分にいったい幾つになったら出会えるのだろう、と空を見つめてしまう私がいます。

 


これを読んでいるあなたの心に私の言葉は少しでも響いているのでしょうか。

時には何か良いものを、届けられているのでしょうか。

そうであるように心掛けながら、これからも言葉を綴っていければと思います。

 


話変わって、明後日にはもう3月。

外に出れば梅や水仙など春の花が目を楽しませてくれるようになりました。

 


世間では新型コロナウイルスの影響であちこちがわちゃわちゃしている状況ですが、どうか手洗い・うがいを徹底して、お身体ご自愛しながら気を付けてお過ごしくださいね。

 

それでは、また。

 

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2019年の聖夜に寄せて

メリークリスマス。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

2019年もあと一週間ほどで終わりですね。

今年は2回しかブログが更新出来なくて残念でした。

 

以前に投稿した自分のブログをつらつらと読み返してみると、ずいぶん赤裸々にいろいろを打ち明けすぎているような気がして、ちょっぴり恥ずかしい気もするけれど、嘘は書いていないので、これもまた正直な自分の姿なのだと開き直りつつ懐かしく読みました。

 

今年は、やっと2月に退院することが出来たと思ったら2週間後にまた再入院することになってしまい、ようやく5月に退院は出来たものの多量の薬のせいか身体が動かずにいて寝てばかりいるという生活が多い1年でした。

動かないうえに、練習の最中に首を痛めてしまったせいでヨガもやらなくなってしまい面白いように太ること、太ること。

一回り以上身体が大きくなってしまいました。

それまで着ていた服も、半分ぐらいがぱつぱつ状態に(涙)。

 

でもまぁ、なんだか思うようにいかないことが多々あれど、病院じゃなく家にいられて、身近に家族がいて、一緒に食卓を囲んで同じ時を過ごせているのはある意味幸せなことなのだと、あらためて思ったりもしています。

 

何度も同じ失敗を繰り返しては振り出しに戻ってる感のあるここ数年ですが、少しずつ学びながら、そしてなるべく物事の良い面を見つめるようにしながら一コマ一コマ歩を進めていければいいなと思っています。

 

あなたの2019年は、どんな1年だったでしょうか。

良かった人にも悪かった人にも、均等に聖夜の恵みが届きますように。

そして穏やかな年の瀬を過ごせるよう願っています。

 

来年も、どうぞよろしくお願いします。

 

 

「ビジネスライクの優しさ」について

そういえば新年の挨拶もしないまま、いつの間にか2月に入ってしまいました。
今日は立春ですね。
遅いですが、あらためて明けましておめでとうございます。

きのうは節分でしたが豆まきなどはしましたか?
我が家では母と私の2人でご近所に声がもれない程度にひっそりと「鬼はそとー、福はうちー」をやりました。
なんだかね、あれを大声でやるのがちょっと気恥ずかしいのですよね。
よい年齢の大人になると特に。なぜだか。

前々回に更新したブログに昨年11月から入院していたことを書いたのですが、ようやく数日前に無事退院ができ、ほっとしているところです。

2017年からこっち数回の入退院を繰り返していてもうウンザリするほど本当に懲りたし、でもそのおかげで晴れた日には太陽の光を思う存分浴びれるということがどれだけ幸せで素敵なことなのかをしみじみと実感できたりもして、ある意味学びの多い時を過ごすことができました。

入院中に何をしていたかというと、これがもう本当に全くすることが無くて。
時間の経過の遅いことといったら。
テレビや新聞のニュースは全く頭に入らないし、日に3度の食事時間だけを目安に生きているような日々でした。

でもそんな中で慰められていたものがあり、それは家から持ち出して来た、ずっと好きで何度も読み返してきた馴染みのある読み物たちでした。
すぐ疲れてしまうのでちょっとずつしか読めなかったけれど、ちょうど良い気分転換&時間つぶしになってくれました。

ざっと紹介すると村上春樹さんのエッセイ、江國香織さんの恋愛小説、そしてマニアックなところでは、なるみさんという方が書かれた『高崎ビジネスホテル探検記』のzineなど。

このzineは、タイトル通り群馬県高崎市に点在する10ほどのビジネスホテルを紹介するという実にシンプルなコンセプトのもと制作されているのですが、これが実に濃くて深くてユーモラスで。

そのホテルに泊まった体験をもとに独断と偏見(著者ご本人が最初にそう説明されている)で書かれているのですが、文章の面白さはもとよりホテルイラスト全編手描きと思われる涙ぐましい努力を感じさせるビジネスホテル愛で溢れていて、地元民であってもなくても読み物として楽しめる面白いzineなのです。

そのなるみさんのzineには、大きくどどん、とこんなことが断言されていました。
「ビジネスホテルは生物です」と。

どんな人が泊まり、何の目的で滞在するかによってホテルの雰囲気は変わる、のだとか(考えてみればそれもそうですね)。
そしてそのzineの最終ページで、なるみさんはビジネスライクの優しさについても熱くでもどこか俯瞰の目で語っていて心を打たれました。

“ビジネスライク”という言葉は一見冷たいように響くけれど、それは人の心に土足で踏み込まないある種の優しさなのだよ、と。
心に立ち入らないという癒しの形もあるのだから、と。
なるほどなぁ、と感心しました。

そして病院も、それに似ているかも、なんて私は感じたのでした。
いわゆるホスピタリティ・ビジネスとでもいうのでしょうか。
泣いても、叫んでも、ゲラゲラずっと笑い転げても、そしてうっかり糞尿を垂れ流していたとしても、同等のスルー(もちろん程度にもよるけれど)。
まるでもう心に色々を貯めこまず発散させてもいいのだよここは、と言われているようで私は安心して今までの全てをさらけ出すことができたのでした。

そんな私を生温い目で見守り、叱り、そして時には貴重なアドバイスもくれた先生はじめスタッフの皆さん、大変お世話になりました。
そして本当にどうもありがとうございました。
もちろんこのブログを毎回もしくは時々気にして覗いてくださるあなたにも感謝を。

鬼は来ませんように。
福はどんどん入って来ますように。
2019年、良い1年にしましょうね。
今年もどうぞよろしくお願いします。

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最近のヨガ近況

こんにちは。
あっという間に年の瀬です。
1年が過ぎるのが本当に
早く感じるようになりました。


私はといえば昨年の6月から
約1年近く心身のバランスを崩して
入退院を繰り返していて、
夏が過ぎ、秋が来て、ようやく
そろそろ落ち着いてきたかなと
思い始めた矢先にまた入院と
いうことになってしまい、がっくり
途方に暮れたのが先月半ば頃の話です。


たいぶ状態は落ち着いてきたものの、
まだ退院のめどは経たず、今は
一時外泊の合間を縫って、こうして
人目を忍んでコソコソと実家の
パソコンをたたいているところです。


たぶん昨年の春に
yoga sukra(ヨガ シュクラ)名義で
自分なりのヨガ活動をスタートさせたり、
それとは別に映画zineを作ってみたり、
生計のための通常の仕事を
続けていた中で、いろいろが
重なってある種のパニック状態に
なってしまったのかな、と
自分なりに分析してみたり
するのですが真実は闇の中、
といったところ。


筋力や柔軟性もほとんど無くなって、
スカアサナ(あぐら)や
ウッターナーサナ(前屈ポーズ)さえも
つらくなり、あのTT(ティーチャートレーニング)
の日々はいったい何だったのかと
思うほど愕然としてしまったのですが、
とにかく今の自分なりに出来ることを
してみよう、と再起して
練習を始めたのが今年の9月ごろ。


ゆるゆるとではありますが、
身体は素直で正直なもので、
動かした分ちゃんと
答えてくれるものなのですね。
退院していた時の独自練習や、
入院時の隙間時間に行っていた
いくつかのアサナ、そして
11月に久々に伺うことができた
Emi先生のレッスン(たった1回
だけだったけど)のおかげで
少しずつ快方に向かっている
ような気がしています。


たまに同じ病院で生活を共にする
入院仲間と一緒にヨガをして
「気持ちいいねぇ」と言ってもらえたり、
呼吸法をすることで
「落ち着くね」と言ってもらえる
のが嬉しかったりする日々。


過去や未来に思いを惑わせず
「今ここに自分がある」と静かに
観察することは、ある意味とても
難しいことだけど、ヨガがあるから
自分は大丈夫、ヨガが私を
守ってくれている、
ヨガに出会えて本当に良かった、
と変な宗教ではないけれど
そんな風に思えて仕方がありません。


退院日はまだ未定だけれども、
家に戻れたらやりたいことは
いっぱいあって、でも詰め込み
過ぎるとまた大変なことになって
しまいそうなので、
気をつけながら、そして
セーブしながら生活して
いこうと思っています。


なんだかいまいち
まとまらない文ではありますが、
今現在のヨガ近況でありました。
書くことと、ヨガ。
これからも自分なりに、
マイペースで、
ライフワークとして
続けていければと思っています。


いろいろとあわただしく予定が
重なったり、追われるように
日々を過ごされている方も、
どうぞあまり無理し過ぎないように。
穏やかに健やかに
冷え込む冬を楽しく過ごされて
いればいいなぁと願っています。

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それでは、また。

あるヨギの自叙伝

「読書の秋」でありますが、最近は
パラマハンサ・ヨガナンダさんの書いた
『あるヨギの自叙伝』(森北出版・
1983年発行)という500ページ超の、
しかもぎっしり二段組みで構成された、
ぶ厚い本に格闘しているこの頃です。


この本のことは、何度かヨガの
ワークショップにも参加させてもらった
ことのある東エマさん(海外を拠点に
ヨガ活動をされている素敵な方です。
ブログに綴られる端整な文章も
魅力的)のブログで数年前に紹介
されたことをきっかけに知りました。


「どんなことが書かれているのだろう」と
興味を持って、以前図書館の相互貸借
システムを利用してチャレンジして
みたのだけど、想定外のボリュームと
内容のため、その時は十数ページで断念。
以来それきりになっていたのですが、最近
時間的にも精神的にも余裕が出来たせいか、
ふとまた読みたくなって、思いきって
購入(本体定価 ¥4200!)。
今はそれを少しずつ、ちびりちびりと
読み進めているところです。


ヨガナンダさんはインド生まれのヨガ行者。
師の奨めで1920年、27歳の時に
単身渡米をし、当時あまり西洋に
知られていなかったヨガをアメリカや
ヨーロッパを中心に広く普及させ、
1952年に59歳でその生涯を終えました。
浅黒い肌にカールした長い髪、そして
何より吸い込まれそうに美しく澄んだ瞳が
印象的。穏やかなたたずまいの中に、
どこか陽気で機知に富んだ雰囲気も感じられます。


読み進めて一番に感じているのは
とにかく不思議に満ちた本だなぁ、ということ。
空中浮遊、瞬間移動、予知能力、
輪廻転生、テレパシー、宇宙に
存在する幽界のことetc.…。
ヨガナンダさんがその生涯の中で
出会った聖者と呼ばれる人たちや
自身の経験として、超次元的な
エピソードがとにかくふんだんに出てきます。
死んだはずの人が急に元気に生き返ったり、
何も無いところから突然物質が現れたり
「嘘でしょう?!」と思うような現象が
当たり前のように記されていて、
自叙伝というよりはまるで神話か
SF小説を読んでいるような感覚。
経験したことは無いけれど、自分が
知らないどこかにはそういうことが
存在していて、古代から連綿と
受け継がれてきていたものなのかも
と思うと、それはそれで世界って
面白いものですね。


ヨギの自叙伝なので、もちろん
ヨガのことにも触れているのですが、
ヨガナンダさんが普及に努めた
「クリヤ・ヨガ」については、昔からの
ヨガの禁令を理由に詳細は
省かれていて、具体的なことは
なんとなくベールに包まれたまま
になっています。
それが余計に気になるところでは
あるのですが、読み進めていく中で
なんとなく感じられたのは「クリヤ・ヨガ」は
現代のアーサナを中心としたハタヨガとは
また少し違う、瞑想や呼吸法を中心にした
精神性を高めることに重点を置いた
ヨガなのかな、ということ。
ヨガの基本でもある八支則のことや、
身体のエネルギーポイントでもある
チャクラのこと、そのチャクラを流れて通る
生命体プラーナ(気のようなもの)の
ことについても少しだけ説明がされています。
ヨガを今までとはちょっと違う観点で見たい方や、
超能力的な不思議や神秘に興味ある方は、
読んでみたら面白いかもしれません。


それにしても、ヨガって一体何なのだろう?
「つながる」という意味を持つ言葉が語源であり、
その最終目的は「体・心・魂の統一」
「サマディ(悟り)」とされるヨガですが、
場所や人によってその形態や内容は様々で、
自分にとって本当のヨガとは、という
ようなことを今でも時折考えてしまいます。


まず最初に「落ち着く」と「心地良い」があって、
これを自分なりの形で誰かに伝えたいという
思いがあって、それは
「自分を静かに内観していく」とか
「呼吸とともに“今”を見つめる」という
ことだとして、果たしてその先には
一体何があるのだろう?
その答えは未知の霧に覆われていて、
正直自分の中ではまだよく見えない
ままになっています。
そういう意味でこの本は、不思議に満ちた
面白い本であると同時に、自分にとって
根源的な疑問を投げかけてくれる、
数少ない貴重な本になりそうです。


本は今、師匠であるスリ・ユクテスワさんが
死から復活してヨガナンダさんの
目の前に現れて、死後の世界について
とうとうと説明している章まで。
なんとかラストまで後80ページちょっと、
というところに来ました。
今度こそ途中放棄しないよう、
残り少なくなってきたページを惜しみつつ、
引き続き読書を楽しみたいと思います。
未知のことを学ぶ読書というのも
また興味深いものですね。


この秋、あなたはどんな本と出会いますか?
どうぞ楽しく素敵な読書時間が過ごせますように。
最後まで読んでいただきありがとうございます、と
たまには感謝の言葉を添えて。

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